ビフォア・サンセット
映画を観ると、優しくなれる
そう思うのは私だけだろうか。
先日観た「ビフォア・サンライズ」の続編である「ビフォア・サンセット」を観た。
いずれも90分に満たない程度の長さで、あっという間に終わる。
僕がこの作品を鑑賞して思うのは、
こんなにも美しい映画があるのだ
ということだ。
印象に残ったシーンが二つあった。
一つは、セリーヌを家まで送る車の中、なぜ二人が共通の思い出話と空白の9年間の話をしながら涙するシーン。
私は観ながらにはなぜ彼らが泣くのかわからなかった。少し時間が経った今もう一度同じシーンを思い浮かべると涙の意味がよく理解できるから不思議だ。
人は自身の記憶のなかに何かを見出し、生きているのだ。
もう一つ印象深かったのは、ラストシーン。
セリーヌが踊りながらおどけて「飛行機に乗り遅れるわよ」と言う。
ジェシーの「わかってるよ」
そしてその前後で見られるジェシーの、なんとも名状しがたい微笑み。
様々な思いがこもったやり場のない微笑みに深く共感した。
素晴らしい映画だった。
大事なことなのでもう一度言うことにします。
映画を観ると、人は優しくなれる。