生涯録

16歳の熱をいつまでも since2013

想像力

どうかしています。

一日連絡をとらないだけでこんな風になってしまうなんて。わたし暇なんですか。頭のなかがお花畑のめでたい人間なんですか。どうやらそのようですね。返す言葉がありません。
 
連絡をとれない間も私の気持ちは一人で勝手に盛り上がり、一方相手は日常のなかで私のことなどきれいさっぱり忘れ…と、このようにしてあるべき均衡を失うのでしょう。
 
しかし何はともあれ、一ヶ月と三週間、連絡をとらないと約束したのです。
 
約束を守れない、我慢できない、ということがあるとすれば、それは当人の心の弱さもあるでしょうけれど、相手を信じていないことにも原因があるのではないかと私は思います。
 
むろん、今回の場合、この「相手を信じる」という言葉にはかなり語弊があります。というのも彼女は僕に何も約束していないのです。一ヶ月と三週間経ったら、私はひとりでにあなたのことを好きになりあなたと付き合います、なんて約束は(もちろん)交わされておらず、それどころか、彼女は私に「自分には好きな人がいる」と明言しているのです。
 
それですからもちろん不安になります。一ヶ月と三週間の間に彼女は彼女自身の恋を成就させる。成就まで行かずとも、引き返すことが難しくなる所(ポイントオブノーリターン)まで自らの恋を進展させる、とか、そういう事態が起きることは容易に想像されるのです。
 
でもどうしてでしょうか。頭が、精神がおかしいからですね。好きな人がいるという彼女の言葉は、私には真実味を欠いていました。彼女の言葉に何か濁りといいますか、たしかに躊躇いがあることを私は感じました。それはかつて、彼女が当時付き合っていた彼の話をしてくれたときも同じで、けっして多くを語ろうとせず、こちらが何か聞くと、ただただ声のトーンを落としてしまい、今にも消え入りそうな声で何か答えるのと同じでした。こう書くと、やはり彼女は確かに恋をしていると結論づけるのではないか、と明敏な読者様は思うことでしょう。しかし、注目すべき事実が他にあります。彼女は数ヶ月後、その彼氏に自ら別れを告げているという点です。好きな人がいるとき、好きな人のことを話すとき、人はあんな風なしゃべり方はできないというのが浅薄な私の歪んだ考察です。
 
 
繰り返しますが、何はともあれ約束を守らなければいけません。そこでは、彼女に好きな人がいるとか、僕が彼女を好きだとか、彼女が僕を異性として見れないだとか、そういうことは一切問題になりません。関係のない話です。リジッドに、ソリッドに、タフでクールに、ハード・ボイルドに、何よりもただシンプルに約束を守るだけです。
 
約束を守ることでしか表現できないものを表現しようとしているのです。
 
万の言葉、億の言葉より一つの行動です。
 
彼女にとって信頼に値する人間になりたいんです。
 
…とここまで書いたら、つらさが緩和されました。つまりは書くことを通じた、自己療養へのささやかな試みというのは今回狙い通り見事に成功いたしました。
 
 
 
 
証券会社