手紙、Oさんの助言、山
調べるんじゃなかった。知らないでいた方が幸せなことってあります。
その写真のなかに、かげりのない笑顔というのを見ました。
あんな風に澄んで笑えることが、笑い合えることがどれほど稀有で幸福であるかを想像し、同時に自分がどれほどいい加減な態度で人に向かってきたかを思い知りました。
自業自得とはこういうことを言うんだとわかりました。言葉がありません。
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Oさんのことを知っていますか?
昨日ばったり書店で彼に会って、深夜のマックで話し込んでしまいました。
たぶん(というか間違いなく)覚えていないでしょうけれど、ずっと前にあなたも一度だけ話したことがある人です。あなたが留学に行く前のことです。そのOさんに「ひどい顔をしているから本を一冊買ってやろう」と言われて岩波から出ているユーゴー『レ・ミゼラブル(一)』をプレゼントしてもらいました。
そういえばレ・ミゼラブル劇中曲の「夢やぶれて」の歌詞を以前英語で送ったことがありました。それも忘れてるでしょうけど、まぁいいです。レ・ミゼラブルです。
Oさんにこう言われました。
忘れることがいちばんの近道だ、と。
「marupuro君は今まで何かを宣言して、それをやり遂げたことがなかった。有限不実行を続けて、彼女の信頼を決定的に損なってしまった」
「にもかかわらず」
「彼女は辛抱強く待ってくれたんじゃないかな。marupuro君はそれに甘えてしまった。marupuro君は『ねじれ』とか『歪み』と表現するけど、そういうのって活字にするとなんとなく文学的な香りがするけど、そうじゃない、そういうのでごまかすべきじゃない。お前は俺に言わせればうんこだよ。うんこなんだ。今なお彼女はmarupuro君に対して真摯な態度をとってくれている。いい子じゃんか」
「だから」
「今回は宣言なしにやめよう。次に会うときが彼女を思い出すときだ」
「彼女なしに自分の目標を達成できる人になりなよ」
「そして次に会うとき彼女にこう思ってもらえればそれでいい。
『marupuro君は私が思ってたほど嫌な人じゃなかった』と」
「まずは彼女とした約束を一つずつ守っていけ。言ったことを達成していけ」
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「世界で一番、人生で一番」と話したのを覚えていますか?
本当に申し訳ないのだけれど今も変わってないんです。
だから約束を守ります。ブレるのはもうごめんです。
目指すところはひとつです。
どの山を登るかようやく決まったってことです。