生涯録

16歳の熱をいつまでも since2013

『ビューティフルライフ』読了

ビューティフルライフ』を読了しました。

 

ここ数週間にわたり、週に一作品のペースでドラマを観ておったのですが、その過程で脚本家・北川悦吏子の偉大さを知り、書店で本書を手に取りました。

 

北川氏を知ったきっかけは『オレンジデイズ』まで遡ります。これは耳の聞こえない沙絵をヒロインとした大学生の瑞々しい恋模様を描いた作品ですが、当時(私は中学生だったか高校生だったか)、ドラマを観て感動し、小説版を読みました。本作品によって、自分の中での「理想の恋愛像」のようなものがまるっと一つ出来上がってしまったといっても過言ではないような気がします。

 

大学一年の前期、埼玉大学に進学した高校時代の同級生(恋していた)に会いに埼玉に行った折、彼女に小説版『オレンジデイズ』を渡したのが今となっては懐かしいです。今振り返ると、好きな人に好きな本をプレゼントするというのが当時のマイブームだったようで、ほろ苦い思い出です。

(あのときは向こうでお金を使い果たしてしまい、帰りの新幹線代を東京の友だちに借りて、やっとのことで帰ってきたんだった…)

 

肝心の『ビューティフルライフ』ですが、率直に言って「えかった」です。

本作品は…

17歳で脚が不自由になって以来車椅子生活を送る、ちょっと強気で、恋愛に臆病な「町田杏子(まちだきょうこ)」と、医学部受験がうまくいかず美容師になり、その道で徐々に頭角をあらわす「沖島柊二(おきしましゅうじ)」とが織り成すラブストーリーです。二人はひょんなことから出会い、互いに惹かれあい、度重なる誤解を経て結ばれます。

 

胸が締め付けられるっていうのはこういうことか、と思いました。「愛していると言ってくれ」や「オレンジデイズ」に代表される北川悦吏子さんお得意の物語構造のなかで、これらのなかでは強調して描かれることのなかった家族愛・家族の絆のようなものが本書には色濃く出ています。

 

詳細は省きますが、自分は「作者あとがき」に救われたような気がしました。そこで親切にも著者が本書を通じて何を伝えたかったのか書いているため、私の場合はそれを読むことである種のやりきれなさから自由になれたのです。

 

こうやって簡易レビューを書きながら物語を振り返っているうちに、タイトルの意味をすこし理解できたような気がします。美しい人生、ってなんだろうと考えさせてくれる一冊でした。本作品のなかで杏子は美しい人生を生きたのだと思います。美しい生き方の一つを、私たちに提示してくれているのだと思います。

 

ドラマもぜひ観てようかと!

 

 

オレンジデイズ (角川文庫)

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オレンジデイズ DVD-BOX

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